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社会福祉法人 京都ライフサポート協会
理事長 樋口幸雄

2013年3月
出来ることを喜べる人に
〜児童デイサービスあんの療育が目指すもの〜

 人は誰もよりよく生きるために生まれてきました。人間は誰でも幸せになりたいと願っています。とりわけて、自分という人間が唯一無比の存在であり、まわりから「たいせつな人」「ひつような人」と思われていることが実感できて、はじめて、自信や喜びといった感情が沸いてきます。これば障害があってもなくても、皆同じです。このことは「働くこと」を通して、より具体的に実感できるのだと思います。

 働くことは5感の機能をつかい、適度な緊張感をもたらします。そのことで心と体のバランスがとれ、自身の存在について肯定的なイメージが生まれます。心と体が違和感なく一体として感じられるようになるといってもいいでしょう。このことはとても大事なことで、それが生理的・心理的な安定につながります。そこで初めて、自己をとりまく世界が不確実なものではなく確かなものとして認知でき、まわりに受け入れられていると実感できるようになります。働くことが喜びにかわり、充実した生の営みと感じる瞬間です。

 とりわけ、認知機能に重度の障害がある場合、その多くの人は社会的対価を期待して働こうとされるのではありません。純粋に働くこと、つまりできることを素直に喜べる人達だと思います。自発的に作業に参加し、自己のもてる精一杯の力を発揮し、もくもくと作業に取り組まれている姿は真剣そのものです。どの顔もどの顔もその表情は生き生きとし、自信に満ち溢れています。人は何故生きるのか、その答えを彼らの働く後姿が教えてくれているように思います。働く喜びは人間に与えられた生きる力の源そのものです。

 このように、働くことは誰にとってもかけがえのない行為、人がその人らしく生きるという自己実現そのものであり、人が生きるということの本質ではないかと思います。障害が重いとか、仕事の内容、工賃の違いによって働くことには全く差異はなく、人がその意思を持って働くという営みは、皆等しく同等な価値があるという認識が必要です。大切なことは働きたいという本人の気持ちを育てること、そして「できた」と自信を持って言える力を身に付けることです。児童デイサービスあんが目指す療育の目標です。



出来ることを喜べる人に